忘れていたエイプリルフール
ハッと気ずくともう6日です。
どんな嘘をついて夫を驚かしてやろうと思っていたのにすっかり忘れてた。
嘘って漢字をよく見ると口が虚しいって書くんですね。
本当に漢字はよくできてる思います。
嘘で忘れられない事があります。
それは私が脳外科の救急病院に勤めていた時のこと。
ICUに心肺停止状態で運ばれた患者さんが居ました。
30代後半の男性。
人工心肺装置を付けています。
わたしが呼ばれたのは脳死の確認の検査のためでした。
今はどうか知りませんが脳死の判定として使われたのはABR.と脳波でした。
ABRとは脳幹の検査で音をヘッドホンやイヤホンで聞かせて出てくる波形を見る検査です。
それぞれの測定器を用いて検査します。
私がICUに行ったとき背中に幼子を背負い、手には小さな子を連れたご婦人が号泣して傍らに立っていました。
脳死された方の奥様でした。
そして、やはり脳死の波形でした。
遺族が望まない場合は人工呼吸器が外され臨終となります。
検査が終わりすべてが終わってから聞いたことはスタッフの嘘でした。
亡くなられたご主人は路上で倒れていた所を緊急搬送されたことになっていましたか、じつは家族のためについた病院側の嘘でした。
ご主人は浮気の真っ最中に脳動脈瘤が破裂し脳死にいたったのでした。
その事実を知ったら奥様はどんなきもちになったでしょう。
ついてはいけない嘘。
ついたほうがいい優しい嘘。
エイプリルフールが来る度、思い出します。
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